第105回大阪透析研究会 会長挨拶

第105回大阪透析研究会
大会長 長門谷 克之

大阪ろうさい病院 腎臓内科

第105回大阪透析研究会を2026年9月13日(日)に大阪国際会議場で開催させて頂くこととなりました。このような機会をいただきましたことを大変光栄に存じますとともに、日頃より本研究会の運営、ならびに大阪府下の透析医療を支えておられる多くの皆様に、心より御礼申し上げます。
第105回大阪透析研究会のテーマは、「足るを知り、力を尽くし、本質を穿つ」といたしました。「穿つ」は「うがつ」と読みます。学術集会のテーマとしてはやや異色の表現かもしれませんが、現在の透析医療に向き合ううえで、私自身が大切にしたいと考えている姿勢を込めたものです。
「足るを知る」とは、限られた医療資源や制度上の制約の中にあっても、いま私たちが日々透析医療を提供できていること、その背景に多くの職種の努力と連携があることを見つめ直す姿勢であると考えています。もちろん、現状に安住するという意味ではありません。厳しい環境を厳しいものとして受け止めながらも、与えられた条件の中で何を守り、何を高めるべきかを考える出発点として、この言葉を置きたいと思いました。
「力を尽くす」とは、透析患者さんの生命と生活を支える医療に携わる者として、日々の診療、看護、機器管理、栄養、薬剤、事務運営など、それぞれの立場で最善を尽くすという、ごく基本的でありながら最も重要な姿勢です。全国の透析患者数が減少に転じる中、大阪府も例外ではありませんが、現在も大阪府下には多くの透析患者さんがおられ、私たちの診療の質は、そのまま患者さんの生活の質に直結します。地方会である本研究会は、日常診療の中で生まれた工夫、疑問、反省、成果を共有する場でありたいと考えています。
「本質を穿つ」は、情報があふれる時代だからこそ、表面的な知識や流行にとどまらず、患者さんにとって本当に重要なことは何かを見極めたいという思いを込めたものです。生成AIを含め、私たちは以前よりはるかに多くの情報に容易にアクセスできるようになりました。しかし、情報が多いほど、何を選び、どのように解釈し、どのように現場へ還元するかが問われます。本研究会が、単なる知識の確認にとどまらず、透析医療の本質を多職種で考える機会となることを願っております。
今回の特別講演は、島根大学の金﨑啓造教授に「透析患者の糖尿病管理:生命予後とQOLの向上を目指して」と題して、教育講演は、滋賀県の富田クリニックの一色啓二院長に「在宅血液透析(HHD)のリアルワールド:知ってください!HHDのこと」と題して、ご講演頂く予定です。
それ以外にも種々のプログラムをご用意し、日々の診療から生まれた実践的な工夫や課題を共有し、施設や職種を越えて率直に議論できる場にしたいと考えています。
新型コロナウイルス感染症の流行を経て、学会や研究会のあり方は大きく変化しました。Webを介した情報共有の利便性は今後も重要であり続ける一方で、同じ場に集い、発表者の思いを直接受け止め、職種や施設を越えて意見を交わすことの価値も、改めて認識されているように思います。
2026年9月13日、第105回大阪透析研究会の会場において、多くの皆様とお目にかかり、ともに大阪の透析医療を考える機会となりますことを心より願っております。

第105回大阪透析研究会 トップへ